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アクリル塗料の特徴と単価

低価格であることと、カラーバリエーションが豊富なことが魅力なアクリル塗料。

近年では使用されることが少ないですが、さほど長期で使用する建造物でない場合や、短期間で色を変えたい場合などを想定されている方は、ご検討いただくとよいでしょう。

アクリル塗料はどんな塗料なのか?

アクリル塗料は、外壁塗装で使用する塗料の中で一缶当たりの費用や単価が一番安い塗料です。しかし、耐用年数が約5年から7年と短いので最近ではあまり使用されなくなりました。

参考に、弊社の使用塗料別グレードの割合は、アクリル0%、ウレタン0%、シリコン10%、ラジカル制御14%、フッソ44%、光触媒0%、無機32%です。

アクリル塗料には、水で希釈した水性塗料とシンナーで希釈した油性塗料があります。油性塗料の方が水性塗料に比べ乾燥時間が短いです。また、高い透明性を持っているので、素材の色をよりクリアに出すことができます。

特徴1.価格は安いが、耐久年数が短くトータルで見ると高くなりやすい

他のグレードに比べ、アクリル塗料は単価が安いので塗装工事にかかる費用を抑えることができます。しかし、紫外線による劣化が早く、触ると手が白くなるチョーキング現象が起こりやすく、塗膜は硬いため、下地が原因でヒビ割れが起こりやすくなります。
耐久年数が短いため、定期的な塗替えが必要となってきます。足場などの費用がその都度かかり、最終的には高くなってしまいます。

特徴2.色が多種多彩!

色再現性が高いので、外壁塗装に多く使用されています。また、艶があるなどバリエーションに優れています。

特徴3.浸透性が高い!

浸透性が高いので、湿気がたまりがちな室内の塗装にも使用可能です。

アクリル塗料の施工単価(m2)はいくらくらいか?

アクリル塗料を三回塗りした場合の施工価格は、平米あたり1,400円から1,600円です。

こんな方にオススメする塗料です

アクリル塗料は、他のグレードの塗料に比べて耐久性が低いため、現在ではほとんどアクリル塗料を使用した外壁塗装は行われていません。(一部の塗料種類を除く)
しかし、5年以内に建物の解体をする時や、透湿性の高い塗料が適した軒天などの場所を塗装する時にはアクリル塗料が使用されています。

アクリルはアクリルでもピュアアクリルは別物

アクリル塗料は、価格が安く耐久年数が短いと書きましたが、それは不純物が多く混ざっているからです。しかし、アステックペイントのピュアアクリルという塗料は違います。
アステックペイントはオーストラリアの塗料メーカーで、日本ではまだあまり聞いたことがないかもしれませんが、紫外線がとても強いオーストラリアで選ばれています。
このアステックペイントが新しい技術によって開発したピュアアクリルは、不純物が取り除かれただけでなく、アクリル樹脂の隙間にポリカーボネート樹脂が配置されているので耐久性に優れています。15年以上とも言われるその耐久性は、フッソと同程度を誇ります。

代表的なアクリル塗料

日本ペイント

■塗料名:タイルラックEMA上塗Ⅱ
おおよその単価:2,480円/㎡(四回塗り・ゆず肌状模様施工時)
速乾性があり、水性塗料でありながら溶剤塗料と同様に強い塗膜を形成する。

■塗料名:DANフレッシュR
おおよその単価:2,710円/㎡(三回塗り・なみがた模様施工時)
防水性だけでなく、防カビ性・防藻性にも優れた塗料。水性塗料のため嫌な臭いが少ない。

■塗料名:ケンエース
おおよその単価:1,570/㎡(二回塗り・軒天塗装時)
軒天などの高い透湿性が好まれる場所に適した塗料。

エスケー化研

■塗料名:SK水性ELコート
おおよその単価:1,500円/㎡
水性塗料なので環境にも優しく、高い耐水・耐アルカリ性の特徴をもつ。

■塗料名:プリーズコート
おおよその単価:1,250円/㎡
作業性に優れているだけでなく、光沢や色彩が長期に渡って保持される塗料。

菊水化学工業株式会社

■塗料名:ビュートップアクリル
おおよその単価:1,200円/㎡
耐水性と耐アルカリ性に優れ、カラーバリエーションも豊富。

アクリル塗料に関するよくある質問

他の塗料に比べ、ツヤがありはっきりとした色合いになると聞いたのですが、本当でしょうか?

油性であれば、発色も良く鮮やかな色を出すことが可能です。しかし、アクリル塗料は耐候性が高くないため、ツヤがなくなってくるのも早いです。

塗膜が固いのでヒビが入りやすいと聞いたのですが、本当でしょうか?

全てのアクリル塗料にヒビが入りやすいというわけではありません。通常のアクリル塗料であれば、塗膜が硬いため、下地の動きによってヒビが入ることがありますが、弾性アクリルにはあまりヒビは入りません。

浸透性が良すぎると聞いたのですが、本当でしょうか?

確かに、アクリル塗料には高い浸透性があります。湿気がたまりやすい室内などで使用すれば、湿気を外部に逃がすこともできますが、外部の湿気を室内に入れてしまうこともあるので水辺の近くなどで使用される場合は相談されることをお勧めします。

他の塗料に比べ重ね塗りがしやすい?

外壁への密着性が高いアクリル塗料は、重ね塗りしやすい塗料です。発色が良いので、重ね塗りをしても仕上がりが綺麗になります。ただ、塗膜が劣化しているなど何か症状がある場合に重ね塗りをしてしまうと、剥がれやすくなるなど不具合をおこしやすいです。

まとめ

現在、ピュアアクリルなどの種類をのぞき、アクリル塗料が外壁塗装に使用される機会は減りました。

しかし、アクリル塗料の特性を上手に活用することで、選択肢は広がります。アクリル塗料についての不明点は、塗装業者へご相談ください。