外壁塗装の養生にかかる費用や相場

外壁塗装で行われる養生の目的

外壁塗装で行われる養生の主な目的は、次の通りです。

不要な箇所への塗料の付着を防ぐ

塗料は飛び散りやすい性質のため、塗装を行わない場所にも飛散してしまうことがあります。

綺麗にするための塗装で、逆に汚してしまっては意味がありません。塗装を行わない場所や塗料が付いては困る場所に養生を施します。

施工の出来栄えを向上させる

塗装面と窓枠の境界などがまっすぐであれば、見た時の印象も良いものになります。

しかし、少し傾いていたり、ガタガタになっていたりすると、せっかくの塗装も見栄えが悪くなってしまいます。養生は出来栄えにも影響を与える大切な作業です。

どのような道具を使い養生するのか？

養生を行う時に使用する主な道具は次の通りです。

養生用ポリシート

一般的なビニールとは異なり、シートに付着した塗料が乾燥しても剥がれ落ちにくい。主に窓や窓枠などで使用する。窓枠全体を養生用ポリシートで覆い、マスキングテープでとめていく。

マスキングテープ

マスキングテープは布テープと比較して粘着力が弱いため、剥がしやすい。

テーププライマー

コンクリートなどの凹凸面や濡れている箇所でも、養生テープの付着を高める。スプレーや溶剤などの種類がある。

マスカー

養生用ポリシートとマスキングテープが一体となっているため、簡単に使用できる。

ノンスリップマスカー

屋根や床などの滑りやすい場所を養生するためのマスカーのこと。滑りにくい。

室外機専用シート

塗料の飛散からエアコンの室外機を守る専用の養生シート。一時的にエアコンを使用できるタイプのものもある。

カーカバー

車両にかぶせて使用する車専用の養生カバー。普通車用やワンボックス車用など車体の大きさに合わせて使用する。ビニールタイプが一般的だが、不織布製の方が風で飛ばされにくく、擦り傷もつきにくい。

飛散防止ネット

家全体を覆って近隣の住宅や敷地へ塗料や高圧洗浄時の水の飛散を防ぐ。足場の設置とともに飛散防止ネットも一緒に張られる。防砂・防風効果もある。

養生の価格相場

養生の平均費用相場は、30坪の延べ床面積でおよそ3万円から4万円です。建物の大きさによって価格は異なりますが、窓が多いなど養生を施す箇所数によっても違います。

正確な金額は、業者に見積りを依頼すると良いでしょう。

養生の注意点

養生を行っているときは次の点に注意です。

窓が開けられない

窓やサッシへ塗料が付着しないように塗装時には、窓に養生をします。養生はマスカーなどをしわなくピンと張るため、少しの窓の開閉でも破れてしまう恐れがあります。

そのため、窓の開閉が難しくなります。

エアコンを使用できない

塗装時、エアコンの室外機には養生カバーをかぶせます。一般的なビニールタイプで全体を覆ったままエアコンを使用すると、空気の循環ができず機械の故障に繋がります。

また、塗装時、状況に応じてエアコンのホースを業者が取り外すことがあるので、エアコンが使えなくなります。

植物が枯れてしまう恐れがある

塗装では植物の葉や花にも塗料が付着してしまうことがあります。付着した塗料の量によっては、最悪切り落とさなければならないこともあるため、先に養生をしておきます。

しかし、長い時間養生されると光合成が妨げられてしまうため枯れてしまう恐れもあります。

まとめ

塗装の仕上がりを左右する養生は、近隣とのトラブルを防ぐためにも大切な工程です。

また、エアコンだけではなく、給湯器や排気設備も養生時には注意が必要です。これらは、養生をしたまま機材を使用してしまうと一酸化炭素中毒の可能性があります。

施工中の窓の開閉やエアコンの使用については業者によって対応が異なりますので、事前に相談することをお勧めします。