地域密着型塗装専門店プロタイムズ岡山南店
ひかりペイントです!
代表の山下です。
屋根瓦には、漆喰が使われています。屋根瓦の一番上部にある棟に施工された材料です。和瓦やセメント瓦の他、モニエル瓦など、さまざまな瓦で使われています。
同じ屋根材でも、基本的に金属屋根やスレート屋根では使われません。その際「なぜ屋根瓦に漆喰が必要?」という疑問が湧いてくるのは自然なことです。また、屋根瓦のメンテナンスをした際、補修が必要と問われると「瓦はメンテナンスが不要のはずでは?」と考える方もいるでしょう。
屋根瓦の棟にある漆喰は、補修工事が必要不可欠です。雨水を防いだり、美観を保持したりするためなど、さまざまな役割を持っています。
そこで今回のお役立ちコラムでは、漆喰の補修工事が必要な理由や、役割や利点についてお話しします。
漆喰が必要な理由とは?
漆喰が瓦屋根に使われている理由は、シーリング材の役割です。シーリング材とは隙間と隙間を埋める材料で、ひび割れ補修にも使われています。また、瓦と瓦の隙間を埋めるために用いるのです。
昔の瓦屋根の下には、土を敷く土葺き工法がされています。土葺きで使われる土は葺き土です。土葺きは昭和初期の頃まで一般的に用いられていました。土葺きをすることで、瓦を固定できるからです。土を乗せることで重量が増すため、台風のような強い風でも瓦がずれて落下しません。その他、瓦の並びが安定するのも用いられた理由の一つです。
瓦屋根の棟は屋根の一番上です。棟には熨斗瓦(のしがわら)と、冠瓦を積む、棟積みをします。棟積みをすることで、雨水の排水機能を高められるためです。棟積みが高いほど、排水効果があると考えられています。また、美観という点でも重要な役割があるのもポイントです。棟を高く積み上げると屋根の雰囲気が格式高いものとされています。棟を高くするためにも、土葺きは欠かせません。
漆喰はその土葺きを、雨水から守るために施工されてきたのです。漆喰で瓦同士を接着することで、少々の風や地震に耐えられるようにしています。また、鳥やネズミのような小動物の侵入を防ぐためにも必要なのです。
大地震により衰退
土葺きは大地震により被害が続出することで衰退しました。関東大震災で大量に倒壊し、瓦が落下したのです。
関東大震災が契機となり、少なくとも関東では土葺きは衰退しました。一方関西では、関東大震災後も土葺きの住まいはあったのです。ただ、1995年の阪神・淡路大震災で衰退しました。関東大震災と同様に、倒壊した住まいの多くが土葺きだったからです。
屋根に重量があると、住まいの重心は上にあります。建物は重心が下にあると安定するのですが、土葺きでは上になるのです。築50年以上経過した住まいは、土葺きのものもあるかもしれません。軽量の屋根のほうが安心です。
南蛮漆喰とは?
漆喰には南蛮漆喰というものがあります。漆喰は消石灰を主原料としており、糊やスサを加えて水で練っています。スサとは繊維状の材料の総称です。
一方の南蛮漆喰も、消石灰が使われています。ただ山砂利や特殊なシリコンや防水材を加えているのが大きな違いです。南蛮漆喰は防水性や高い強度を持っているため、屋根に採用されています。基本的に通常の漆喰と同じく、棟で使われることが多い材料です。
南蛮漆喰は防水性と強度を持っていることから、土葺きの役割があります。通常の漆喰だと、葺き土も用意しなければなりません。南蛮漆喰は漆喰と葺き土両方の役割があります。そのため、南蛮漆喰は普及しており、屋根瓦の外側だけではなく、本来土葺きが施工される内側にも使用されているのです。
2000年代以降のほとんどが南蛮漆喰
すべてとはいい切れませんが、2000年代以降、屋根瓦は南蛮漆喰での施工が増えました。屋根の棟部分を見て、外側から白い部分が見えたらそれは多くの場合、南蛮漆喰です。
屋根は雨や風という外側からの影響を大きく受けます。漆喰も経年劣化し、徐々にはがれていきます。ただ、内側に土葺きの代わりにもなる南蛮漆喰が詰まっていれば大丈夫です。二重に守られているため、簡単には雨漏りになりません。
土葺きの場合も、少々なら雨水が侵入しても雨漏りに直結することはないのです。ただし、南蛮漆喰のほうが防水性は高いといえるでしょう。
漆喰は定期的なメンテナンスと補修工事が必要
漆喰は一度施工すれば、半永久的に機能するものでもありません。定期的な補修工事を通じて、劣化に合わせた補修が必要です。
屋根瓦で粘土瓦を採用している場合、耐用年数は約50年以上で塗装は要りません。漆喰を利用しているなら、劣化症状に合わせた補修が求められます。漆喰の耐用年数は約20年です。
漆喰の劣化は約20年前後です。実際のところ、雨漏りのように明確なトラブルが発生しないと、気づかれないことは多々あります。住まいの下から屋根の棟を見上げても、漆喰が劣化しているのはわかりにくいのです。そのため定期的なメンテナンスが、早急な気付きにつながります。
漆喰の劣化サイン
ヒビや変色やはがれなどが代表的な劣化サインです。この状態になったら、補修工事が求められます。漆喰の「ひび割れ」「変色」「はがれ」という言葉が屋根補修専門業者の口から出たとします。その場合「補修が必要」と判断したほうがいいでしょう。
なお、自分で屋根に上がって漆喰の状態を確認するのは危険です。仕事で高所作業に慣れているならともかく、一般の方が上がると滑落事故につながります。では、以下で漆喰の劣化サインについてくわしくお話しします。
ひび割れ
漆喰は乾燥すると硬くなる特徴を持っています。乾燥による収縮が発生したり、建物の振動や風雨でもひび割れたり欠けたりするのです。ただし、少々なら不具合につながらないともいわれています。
変色
経年劣化すると黒っぽくなります。土葺きに雨水が侵入すると、黒っぽくなるのです。変色だけではなく、コケが発生する場合もあります。コケは水分のある場所で繁殖するトラブルです。他にもホコリや砂ぼこりなどが付着すると黒っぽくなります。
はがれ
はがれは代表的な劣化です。徐々に少数箇所で発生します。そのため数か所程度ではがれが発生していても、雨漏りにはつながらない可能性があるのです。また、経年劣化が軽症だと、大規模な補修工事をしなくても済みます。多くは漆喰の塗り直しで対処可能です。
漆喰が劣化すると発生するトラブル
漆喰が劣化した場合、発生するトラブルは主に3つです。「棟の台土が流れ出る」「瓦が抜け落ちる」「雨漏り」があると早急な補修工事が求められます。以下で3つのトラブルについてくわしくお話しします。
棟の台土が流れ出る
棟には台土があります。台土とは、熨斗瓦の台となる大熨斗瓦を乗せる葺き土です。棟の基礎とも呼べる部分ですから、流れ出るのは大トラブルです。
台土が流れているわけですから、漆喰もはがれている可能性が高くなります。屋根の基礎ともいえる台土を失えば、屋根の耐久年数の大幅な低下にもつながるのは当然です。棟に設置された熨斗瓦も、ずれてゆがんでいるかもしれません。落下した際、運悪く下に人がいて直撃すれば、大ケガや命に関わります。
台風の際、風に飛ばされて隣近所の建物に傷をつけたり、窓を破ってしまったりするのも大問題です。屋根全体の寿命も大幅に低下することから、今度は住まい自体のトラブルにつながるのです。
瓦が抜け落ちる
漆喰は劣化するとはがれ落ちます。経年劣化による限界が訪れたと判断できるのです。漆喰は瓦と瓦の隙間を埋めています。なければ、雨が侵入する可能性は高いのです。
通常の漆喰でも土葺により、簡単には住まいの中まで雨水は入りません。ただ、放置して何度も侵入を許すと、徐々に葺き土を湿らせます。瓦への接着力が失われるために瓦は元あった場所から大きくずれて抜け落ちるのです。また、中に入った雨水が外へ流れ出る際に押されてはがれるのです。
雨漏り
屋根のトラブルで倒壊以外に怖いのは雨漏りです。棟の台土が流れるのも、屋根瓦のずれも、結局は雨水につながるため大問題といえます。
棟の中に雨水が侵入すれば、瓦の裏側に進むことになるのです。ただ、通常は防水シートを設置しているためすぐには雨漏りにつながらないかもしれません。その防水シートが劣化すると次は雨漏りです。
瓦屋根は、瓦、土葺きで雨水を防ぎ、突破されても防水シートが最後の砦として存在します。ただ、何度も濡れた防水シートは、劣化してボロボロになるのです。限界が訪れれば、雨漏りになります。
天井や外壁に雨染みが発生したら、最悪の状態と考えてください。屋根の下地部分まで、雨水が侵食している可能性があります。下地が腐食していれば簡単な補修では対応できません。
ひかりペイントでは漆喰の補修も対応できます
ひかりペイントは屋根塗装と補修専門業者として漆喰にも対応できます。岡山県で瓦屋根や漆喰補修の専門業者をお探しならぜひお声がけください。
ひかりペイントには瓦職人をはじめ、大工や板金職人まで、屋根のプロフェッショナルがそろっています。屋根全般、全交換する葺き替えや新しく重ねるカバー工法まで幅広く対応可能です。棟の漆喰トラブルも劣化が進まないように対処します。屋根に問題がないか、本格的な点検もお任せください。
ひかりペイントへのご相談はホームページの問い合わせフォームよりお問い合わせいただけます。メールや電話でも可能です。ショールームも備えておりますので、お気軽にご相談ください。
ひかりペイントが選ばれる理由