地域密着型塗装専門店プロタイムズ岡山南店

代表の山下です。

屋根工事では防水工事が必要です。平らな陸屋根の防水工事では、ウレタン防水やFRP防水が必須です。陸屋根で防水工事をしないと劣化が早まります。雨降り後、水はけが悪いと雨水は残ります。放置すれば建物の中に水が侵入しないようにする防水層を作っていても下地が劣化するのです。

防水工事は戸建てや集合住宅のような住まいでも必要です。ただ、屋根工事や防水工事でなにをするのか、理解していないと不安なものでしょう。「ウレタン防水ってなに？」「FRP防水とは？」「他に選択肢はないの？」という疑問が出るのも当然です。そこで今回は、屋根工事や防水工事の重要性や施工方法をお話しします。

▼合わせて読みたい▼
ベランダ防水工事の選び方！ウレタンとFRPなどの違いとメリットを徹底解説

陸屋根に防水工事が必要な理由は傾斜がないから

住まいの屋根は三角屋根や平らな陸屋根など多種多様です。平らな陸屋根はとくに防水工事が求められます。三角屋根の場合、雨が降っても傾斜で流れ落ちるため長時間残りません。陸屋根の場合は平らですから構造的に雨が流れにくくなっています。

ただし水はけのために傾斜が作られています。雨水は地上へ水を流す排水口へ向かいますが、ゴミで詰まるとスムーズに排水できません。それでも陸屋根には通常、ウレタン防水やFRP防水などの防水工事が施工されているため安心です。

防水層で建物内部に水が流れるのを防いでいるからです。しかし水はけが悪化し、水たまりが長時間残るようになると防水層も劣化します。雨水が建物内に流れ込むと住環境の悪化だけではなく、人の命を奪う重大なトラブルにつながるのです。以下が想定できる被害です。

木材が腐る	住まいを支える柱や梁の腐食耐久性の低下倒壊の危険性
シロアリ	木材や断熱材の食害耐久性や耐震性の低下
カビ	美観を損なうシックハウス症候群アスペルギルス症過敏性肺炎
漏電	感電電化製品の破損漏電火災
爆裂現象	鉄筋が錆びることで発生

これらの劣化症状を以下で詳しくお話しします。

木材の腐食

木材を腐らせるのは木材腐朽菌が原因です。木材腐朽菌は木材の主成分のセルロースやリグニンなどを分解します。高い湿度を好み、木材の含水率が20％以上だと発生しやすいです。住まいを支える柱や梁が腐ると、耐久性も耐震性も低下します。小さな地震でも倒壊するため人の命を奪いかねません。

シロアリ

シロアリも住まいの耐久性や耐震性を低下させる要因です。シロアリは雑食性で、木材以外にもプラスチックやゴムの他、レンガやコンクリートまで食べます。金属や柔らかい鉛や薄板にも被害が出ます。発泡スチロールや発泡ウレタンの断熱材も食べるため、住環境も低下させるのです。

参照：公益社団法人日本しろあり対策協会シロアリQ&A

カビ

カビは天井や壁紙などに発生して不快なものです。美観以外にも、カビの胞子を吸い込んで発症する健康被害もあります。シックビルディング症候群・シックハウス症候群が代表的です。目のかゆみやチクチク感をはじめ、のどの乾燥や咳、頭痛や集中力の欠如など症状は多岐にわたります。

他にもアスペルギルス症や過敏性肺炎などもあります。アスペルギルス症は高齢者やお子さまなど、免疫力の低い方は罹患しやすいため注意が必要です。

シックビルディング症候群・シックハウス症候群に関しては厚生労働省でも注意喚起を行っています。

引用：厚生労働省科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)

漏電

雨漏りによる漏電火災にも注意が必要です。雨漏りで濡れた電化製品に電気が流れると、ショートして火花が飛び散り火災につながるのです。コンセントに水分が付着した場合も、再び通電した場合、トラッキング現象で発火します。

トラッキング火災とは電源プラグに溜まったホコリが原因です。通常プラグは電気が流れないようにしています。しかしホコリが湿気のような水分を吸収すると、通常とは異なる場所へ電気が流れるのです。とくに台風のような強風では雨漏りにつながりやすいため注意が必要です。

爆裂現象

建築業界では「爆裂現象」という言葉があります。住まいが爆発するわけではありません。鉄筋コンクリートやモルタルの鉄筋が錆びると体積が増える現象です。コンクリートやモルタルを内部から押し出して壊します。屋根の場合、防水層の劣化によるヒビや割れ目から雨水が侵入して触れると鉄筋は錆びます。

建物の寿命は短くなりますし、耐久性も低下するでしょう。陸屋根からの雨水により爆裂が高所の外壁部分に発生すると危険です。高所から壊れた外壁の欠片が落下して、下に人がいれば直撃します。命を落としかねない重大事故になるため早めの対処が必要です。消費者でも爆裂による事故事例が紹介されています。

引用：消費者庁消費者事故等の通知の運用マニュアル

陸屋根の劣化を防ぐには防水工事が必須

陸屋根の劣化を避けるには防水工事が必要です。ただし防水工事は大きな費用がかかるため毎年実施するわけにもいきません。また、防水層が1年でダメになるのは不良施行の可能性さえあります。

通常、防水層は1年程度でダメになるものではないのです。そのため陸屋根の防水工事は、タイミングを的確に見極めなければなりません。以下は早めに屋根工事専門業者に相談したほうがいい劣化症です。

これらの劣化の中で気をつけたいのは後半の劣化症状です。

防水層のふくれ
防水工事をして10年以上経過
防水層の表面がはがれて壊れている

すべていつ雨漏りが発生してもおかしくないレベルです。放置すれば大雨や台風の際、雨漏りが発生する可能性も考えられます。

代表的な防水工事はウレタンとFRPとシート防水

陸屋根の防水工事も複数ありますが、主流はウレタン、FRP、シート防水です。アスファルト防水もありますが、マンションやアパートのように広い場所に向いています。

FRP防水

FRPとは繊維強化プラスチックのことです。Fiver（繊維）Reinforced（強化）Plastics（プラスチック）の頭文字を取っています。ガラス繊維のような繊維をプラスチックに混ぜることで強度を高めた防水工事です。防水工事以外の用途では、浴槽にも使われています。陸屋根以外に戸建てのベランダでも採用されています。耐用年数は10年前後です。

FRP防水は高い耐水性や耐久性が強みです。弱点は紫外線ですが、防水層を保護するための塗料トップコートを定期的に塗り替えれば対策できます。排水口周りのような複雑な形状でも継ぎ目なく施工可能です。また、高い強度は人の歩行にも耐えられます。陸屋根を頻繁に活用している方にはぴったりの防水工事です。

ウレタン防水工事

ウレタン防水では液体のウレタンを複数塗って防水層を作ります。ウレタン防水のメリットは複雑な形状をした場所でも施工できる点です。継ぎ目のない防水層を作れます。耐久性は約12年前後で、重ね塗りもできます。問題のある古い防水層を一旦撤去しなくても済むため、メンテナンスコストを抑えられるのはメリットです。重ね塗りについては、別の防水材にも対応できる柔軟性があります。

シート防水

シート防水もよく採用されています。塩化ビニールシートとゴムシートの2種類で、手間もかからずコストも高くありません。耐用年数は2種類とも13年前後です。塩化ビニールシートはカラーや模様がデザインされているものもあります。紫外線に強く、メンテナンス頻度も少なくて済むのがメリットです。ただしシートとシートのつなぎ合わせがむずかしいため、施工業者や技術者の技術力や経験に仕上がりが左右されます。

ゴムシートは接着剤やテープなどで下地に施工する防水工事です。リーズナブルな価格で工期も短くて済みます。全体的に見ると劣化がひどくなく、部分補修をしたい場合に向いています。ただし塩化ビニールシートと同様に技術力や経験により仕上がりにばらつきが生じやすいです。

アスファルト防水

アスファルトを含ませた特殊なシートを貼り重ねて防水層を作ります。古い時代からある工法で耐用年数は20年前後あり、高い防水性能が強みです。メンテナンスも少なくて済み、長持ちします。新築で採用されることが多いのはアスファルト防水です。広い場所に向いた防水工事のため、学校やマンションや公営住宅の屋上や陸屋根で多く採用されています。